皆さんこんにちは!震災後、東京からUターンして水産の世界に飛び込んだひろよしです!
最近、深海魚という言葉を良く耳にしませんか^^?
見た目のインパクトがあり、眺めていると凄く面白いですよね。
この深海魚の中に、すごく美味しいお魚が隠れています。
今回はそんな深海魚達をご紹介します。
目次
深海魚とは
深海魚の定義
まずは深海魚の定義とはどんなものか見てみましょう!
深海魚とは、その文字の通り深海に生息する魚類の総称です。
水深200mより深い海域を深海と定義するので、その海域に住むお魚という事になります。
ただし、成長の過程や、餌を追い求めて浅海と深海を行き来する魚類も多いので明確な定義ではなく、あくまで俗称という事を念頭におきましょう。
深海の世界
水深200mより深い所が深海、という事なのですが、地球の平均水深は3729mなので、地球の海表面積の8割は深海という事になります。
21世紀現在でも深海のほとんどは未踏の領域だそうです。
そもそも何故深海の定義が水深200mからなのかというと、環境が著しく変化することが一つの理由として上げられます。
高水圧・低水温・暗黒・低酸素状態(日光が届かなく、植物が光合成を行えないため)など、過酷な条件化が目白押しなのです。
そんな劣悪な環境条件に適応するために、あのインパクトのある姿に進化を遂げたのですね。
うーん、生物の神秘を感じます。
ちなみに一番深いところに生息している魚(2017年5月現在に発見)は、深度8,145mのクサウオの一種だそうです。
今後も新たな発見に期待ですね♪
深海魚が水圧に耐えられる理由
何故深海が未踏の地と呼ばれるのか。
それは水圧です。
水深1000m地点で、1平方センチメートルで100キロもの圧力がかかります。
では何故そんな場所で、深海魚は生きることが出来るのでしょうか。
そもそも水圧でモノが潰れるのは、気体が水圧に負けて潰れてしまうからです。
空気の沢山含まれる発泡スチロールを海底に沈めると、中の空気が押しつぶされて小さくなります。
それに比べ、水や固体は気体よりも水圧に強いので、水入れたペットボトルは、水深6000mを越えても潰れないそうです。
そんな原理を利用して、深海魚は体の中に気体が入りにくい(ゼロではない)構造になっています。
海中を浮上降下する際、通常の魚は浮き袋(空気)を使うのですが、深海魚は体内の油やワックスを使う種もいるそうです。
更に、細胞の中に水圧に強いたんぱく質を持っていたりと、過酷な環境に耐えうる体に進化したのですね。
逆に、深海魚が地上に上がると、体の中の気体が膨張して内臓や目玉が飛び出てしまったりします。
元々は漁民の食い魚
見た目がグロテスクな深海魚達。
食べてみると、実は凄く美味しい魚もいます。
その味から、市場では高値で競り落とされる事も少なくありません。
しかし、今では高級魚と呼ばれている深海魚の多くが、数十年前までは値の付かない雑魚でした。
売れないので市場の隅っこで蹴っ飛ばされていた、なんて話も、、(笑)
江戸時代ではマグロはトロよりも赤身の方が高級品だったのと同じく、消費者の味覚の変化により、脂の強い魚が再評価されたのですね。
昔は漁師や魚屋で地元消費されていた深海魚が、今や高級魚となり高級料理店に卸されているのです。
まさにシンデレラフィッシュ!
美味しい深海魚
キアンコウ
見た目にパンチがありすぎなこのお魚。
日本で食用になっているアンコウは殆どこのキアンコウになります。
捨てるところの無い魚とされ、1匹で異なる味と食感が楽しめます。
鮟鱇の七つ道具/肝、皮、とも(鰭)、水袋(胃)、ぬの(卵巣)、鰓、柳・大身・台身(身)。
〇オススメの食べ方
アンコウといったら、やはりアンコウ鍋でしょうか。
西のふぐ鍋、東のあんこう鍋、と言われるほど、本当に美味しいです。
ポイントは肝。
アンコウの肝は海のフォアグラと呼ばれ、濃厚な旨みを秘めています。
ドンコ(正式名称/エゾイソアイナメ)
東北の漁民達がこよなく愛するこのお魚、ドンコです。
鮮度が落ちやすいお魚なので、流通の発達により日の目を浴びる事となりました。
底引き船などのものはお手ごろ価格ですが、釣りもの等鮮度の良いものは高値で取引されています。
柔らかくクセが全く無い白身と、濃厚な肝のハーモニーが一度食べた人を虜にします。
〇オススメの食べ方
漁民の家庭の味、ドンコのつみれ汁です。
つみれに肝を混ぜる事によって、濃厚でフワフワの食感を楽しむことが出来ます♪
メヒカリ(正式名称/アオメエソ)
魚体が小さくて目が大きいこのお魚。
常磐沖(福島、茨城沖)で多く水揚げされる、通称メヒカリです。
90年代では雑魚として扱われていましたが、現代人の嗜好にマッチして今では大人気のお魚となっています。
今現在では福島県いわき市の市の魚にもなるなどに大出世しました。
脂が強い白身魚で、お口の中でとろけます!
〇オススメの食べ方
メヒカリといったら唐揚げです。
脂が口の中で解け、旨みがジュワっと溶け出します。
詳しくはコチラの記事をご参照ください→絶品深海魚のメヒカリ!下処理と食べ方を大公開|唐揚げ/刺身/一夜干
キンキ(正式名称/キチジ)
キンキンとともに黄金色に輝く魚、という意味を持つこのお魚。
マスコミなどでも取りあげられる事も多い、超が付く高級魚です。
このお魚もかつては沢山獲れて肥料になったりしていた魚だったようですね(今では考えられません)。
非常に脂の強いお魚で、身離れも良く超高級魚の名に恥じない最上級の味わいです。
〇オススメの食べ方
キンキ は、高級料亭等で煮付けにされる事が多いです。
ホロホロの身を口に入れれば、甘さの強い脂が口の中に広がります。
煮付けた汁をご飯にかけたらお茶碗があっという間に空!(少々お行儀が悪いですが)
ノドグロ(正式名称/アカムツ)
テニスの錦織圭選手が「ノドグロとかあったら食べたい」と言って知名度が上がったあのお魚です。
その名の如く、お口の中を覗くと真っ黒!
その味は超上質な白身で、あまーい脂が全身に詰まっています。
キンキと対を成す赤い超高級魚!!
〇オススメの食べ方
鮮度の良いものは、ずばり刺身が良いでしょう!
皮目を焙れば脂がジュワーッと溶け出します。
甘味、うま味が非常に強く、身を良く見ると脂がキラキラと、、、。
絶品です。
まとめ
ちょっとボリューミーな記事になってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
見た目はトリッキーでも、美味しいお魚がたくさんいましたね。
スーパーやデパート等で見かけたら、その見た目で敬遠せずに是非チャレンジしてみて下さいね。
水産加工会社の2代目/フードコーディネーター
震災後の2014年に東京からUターンしてお魚屋さんになりました。 お魚の雑学や、お魚を使ったレシピ等、「魚」にまつわるコンテンツを日々発信中!