
皆さんこんにちは!
魚のおんちゃまオンラインショップ店長の高橋です。
日本でよく知られた魚、"スズキ"。その名前は聞き覚えがあるかもしれませんが、「食べたことがない」という方も多いのではないでしょうか。
名前はポピュラーですが、急に手に入れるとどう料理したらいいのか困ってしまう方もいるかもしれませんね(笑)。このスズキは古くから日本人に愛され、とても美味しい魚です。
今回は、そんなスズキについて詳しく解説していきます。
目次
スズキの基本情報

スズキは、スズキ目-スズキ科-スズキ属に属するお魚です。
食用のお魚の多くがスズキ目に属しており、含む魚はなんと約1万種類。
魚類の中でも最も進化した種と言われており、ヒレやトゲがとても発達しています。
スズキは大型の魚で、最大で長さ1m、重さ10kg以上にもなります。
釣り人の間では”シーバス”という愛称で呼ばる、アングラー達の人気者。
そのなだらかなシルエット、シャープに伸びたヒレ、黒と銀色の美しい外観から、「鯛に次ぐ美魚」とも評されます。
日本最古の書物である古事記にも登場する、古くから日本人に親しまれてきた魚です。
スズキの旬

スズキの旬は一般的に夏、5月~10月頃とされています。
- 冬の産卵で一度痩せ、そこから夏に身質が戻ってくるため、
- 暖かくなると汽水域(川と海の間)に移動して獲れやすくなる為
が理由として挙げられます。
しかしながら、一概に言えない所もあり、産卵前に肥えているハラブトと呼ばれる個体も脂がのって大変美味しいです。
生態
スズキは肉食性で、主に魚や大型のエビを捕食します。1年で約10cm程度成長し、10年生きる個体もいるそうです。
冬は沖合で過ごし、春から秋にかけては湾内や淡水域に遡上します。ただし、実際には「塩水クサビ」と呼ばれる、川底に沈む塩分濃度の高い層にいることが多いようです。
また、スズキは夜行性で、夜に活動します。
スズキの選び方

産地から選ぶ
スズキは産卵期によって大きく味に変化がある為、産地と時期を考慮すると良いです。
凡その産卵期が
- 宮城県…12月中旬~1月上旬
- 東京湾…10月下旬 ~ 2月下旬
- 三河湾、伊勢湾…1月 ~ 3月
- 瀬戸内海…10月 ~ 1月
- 九州…11月 ~ 3月。
上記のような期間にり、産卵前や、産卵を終えて少し経った頃の個体を選ぶのが良いです。
※あくまで凡そで、その年の海水温や状況によって変化するので、あくまで目安とお考え下さい。
活〆を選ぶ

スズキを含む、一般的な魚は締め方によって味が大き変わります。
野締め(何もしないで悶絶死した個体)ではなく、活締め(生きた状態で〆た個体)を選ぶとより品質が良い可能性が高いです。
活〆の個体は、頭部、またはエラのあたりに包丁が入っていて血が出ているので一目でわかると思います。
また、スズキは活(生きたままの状態)で流通する事が多いので、値段は少しはりますが、失敗したくない時は活ものを選ぶと良いでしょう。
スズキの定番料理
夏以外は値段が落ち着くとはいえ、スズキは本当に美味しいお魚です。
そんなスズキの基本的な食べ方をご紹介します。
やっぱりお刺身

旬のスズキは生食がベストです。
透明感のある身に、旨味と脂が混在しています。
「夏に美味しい魚」となると魚種が限られるので、是非お試しあれ。
活モノが入ったら、あらい

生きているスズキが入手できたら、是非「あらい」をお試しください。
あらいは身の旨味よりも、触感を楽しむ調理方法です。
まだ身の硬い活モノを刺身にし、水で洗った後に氷で〆て作ります。
身を柔らかくする酵素を 水で 洗い流し、触感を損なわないようにするらしいですよ。
コリコリとした食感は、刺身とは違った味わいを楽しめます。
スズキの炙り

皮にも旨味のあるスズキは、皮を炙っても美味しいです。
脂がじゅわっと溶け出し、口の中で爆発します。
スズキの塩焼き

前述したとおり、皮にも味があるスズキは焼き魚もおススメです。
スズキならではの香がたち、えも言えぬ美味しさ。
>フライパンを使った魚の焼き方はコチラ
カルパッチョ 塩レモンアボガド

食欲が落ちる夏にはピッタリなさっぱりレシピです。
アボガドの濃厚さとレモンのさわやかさが愛称抜群です。
スズキのアラ汁

余ったアラは捨てずにあら汁にしましょう。
スズキの骨からは良い出汁、残った身から出る脂がぶわっと出ます。
潮汁、味噌汁どちらもおススメ。
おわりに
スズキは見た目も美しいだけでなく、その味も絶品です。多種多様な料理法で楽しめるので、是非一度ご賞味ください。
以上、高橋でした。次回もお楽しみに!

水産加工会社の2代目/フードコーディネーター
震災後の2014年に東京からUターンしてお魚屋さんになりました。 お魚の雑学や、お魚を使ったレシピ等、「魚」にまつわるコンテンツを日々発信中!