皆さん、こんにちは!魚屋のヒロヨシです。
今回は、最近何かと話題に上がるアニサキス症について解説します。
芸能人の渡辺直美さんや庄司智春さんが発症し、大々的にニュースで取り上げられましたね。
このニュースが全国を騒がせていた頃、一時的にですが、お魚が売れなくなってしまいました、、笑
しかし!
アニサキス症は正しい知識と対策をすれば予防できるのです。
今回はそんなアニサキス症の予防法や気をつける魚種を中心にご紹介いたします。
目次
アニサキス症とは
原因
出典 http://www.mhlw.go.jp
アニサキス症は、魚に寄生するアニサキス幼虫が人の胃壁や腸壁にもぐり込んで発症します。
サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生したアニサキス幼虫が、人の胃の酸に驚き、胃や腸を食い破ろうとするのです。
文字にするだけでゾッとするお話ですね、、。
痛みの原因はアニサキスに噛まれているから、と思われがちですが、
実はアレルギー症状によって腹痛を起こしている可能性もあるそうです。
症状
出典 http://www.mhlw.go.jp
アニサキス症は、アニサキス幼虫がもぐりこんだ場所で2通りの症状を引き起こします。
急性胃アニサキス症
食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの痛み、嘔吐、悪寒を生じます。
さらにはアレルギー症状の蕁麻疹や湿疹を起こす場合も。
食中毒では無いので、下痢は起こりません。
急性腸アニサキス症
食後十数時間後から数日後に、下腹部の痛み、嘔吐、悪寒を生じます。
さらにはアレルギー症状の蕁麻疹や湿疹を起こす場合も。
食中毒では無いので、下痢は起こりません。
アニサキスの特徴
大きさは、長さ2~3cm、幅は0.5~1mm程。
半透明の白濁色で、少し太い糸のように見えます。
主な生息場所は、クジラやイルカの胃や腸。
生息範囲を広げるために、宿主の糞とともに卵を放出し、
オキアミ⇒魚(クジラ)⇒クジラ、イルカ等
といった形で宿主を変え、最終的にイルカやクジラの腸に戻ります。
最終宿主に食べられる筈だったアニサキス幼虫を、人間が食べてしまう事によって引き起こされる訳です。
アニサキスの予防方法
まず一番気になる予防方法です!
下記を注意すれば、アニサキス症にかかってしまう確率をグーンと下げることができます。
目視
アニサキスは2~3センチほどの大きさがあるので、良く見ると目視できる場合があります。
上記で記載した特長を踏まえ、よく確認してみましょう。
体内に入らなければ発症する事は無いので、一番簡単に実践できる方法です。
噛む
アニサキスは刺激に弱く、傷がつくとすぐに死んでしまいます。
その為、よく噛む事でアニサキス症を予防する事がでるのです。
アニサキス自体に毒素はないので、死んでしまえば食べても問題ありません。
冷凍
アニサキスは-20℃で24時間以上冷凍すると死滅します。
家庭用冷蔵庫は-18℃の場合が多いので、48時間以上冷凍しましょう。
加熱
アニサキスは60℃では1分、70℃以上で瞬時に殺すことが出来ます。
アニサキスが混入している可能性が高い場合は、過熱する事をオススメします。
鮮度を落とす前に内臓を除去
これは釣りをする方向けの対処法です。
アニサキス幼虫は、死後の時間経過で内蔵から可食部位の身に入っていきます。
そのため、身に侵入する前の新鮮な状態で内臓ごとアニサキスを摘出してしまえばいい、という事です。
しかし、スーパー等に並んでいる魚は鮮度が落ちてしまっている可能性が高いので、ご家庭では実践しないようにしましょう。
落とし穴
上記を踏まえて、注意して欲しい点があります。
食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびをつけても、アニサキス幼虫は死滅しないという事です。
シメサバや塩辛でもアニサキスの可能性がある、という事を忘れないでください。
気をつけるべき魚種
アニサキス症を引き起こしやすいと言われている魚をご紹介していきます。
あくまで「引き起こしやすい魚」ですので、全ての魚にアニサキスが寄生している可能性がある、という事を忘れないでください。
サバ
報告例も非常に多いサバ。
刺身で食べる機会が少ないですが、アニサキスが寄生している可能性が非常に高い魚種です。
注意すべきはシメサバ。
アニサキスは酢でしめても死滅しないので、目視、咀嚼を徹底しましょう。
イカ
イカの中でもスルメイカ(真イカ)のアニサキス症報告例が多いと言われています。
イカはクジラやイルカの餌になる場合も多いので、アニサキス幼虫の絶好の寄生元なのですね。
このスルメイカは塩辛の原料になる事も多いので、自家製塩辛には注意が必要です。
※スーパー等の塩辛は冷凍原料から作られている場合が殆どですので、まず大丈夫です。
サンマ
近年、とても報告例が増えているサンマ。
昨今の流通の進化で、サンマを刺身で食べる事が多くなってきた事が原因と考えられます。
サンマの刺身は殆どの場合、生の(冷凍していない)サンマを用いるので、よく目視し、咀嚼を徹底しましょう。
もし食べてしまったら
アニサキス症の疑いがある場合、早急に病院へ行きましょう。
胃カメラで胃に噛み付いているアニサキス幼虫を摘出する事が最速の治療法です。
殆どの場合、摘出したとたんに治ってしまうので、早く病院にいってアニサキス幼虫を摘出してもらいましょう。
病院によっては胃カメラの医師が曜日によって不在の場合もあるため、病院側に確認してから行くことをオススメします。
疑いのある生魚を食べた折を医師に伝え、アニサキス症の疑いがある事を訴えましょう。
※胃カメラでの除去が困難な場合、アニサキスが胃の中で死ぬのを待つ場合もあります。
生存期間は、1~2日、長いと4日程。
まとめ
アニサキス症について、いかがでしたでしょうか^^;
かかってしまえば恐ろしいアニサキス症ですが、しっかり対策を打てば確実に防ぐことができます!
正しい知識をもって、美味しいお刺身を楽しんでくださいね♪
それでは良いお魚ライフを~>゚))))))))))))))))>=<
水産加工会社の2代目/フードコーディネーター
震災後の2014年に東京からUターンしてお魚屋さんになりました。 お魚の雑学や、お魚を使ったレシピ等、「魚」にまつわるコンテンツを日々発信中!