鯛の中に、また鯛が?煮魚や焼き魚に潜む縁起物「鯛の鯛」を探そう!

こんにちは!お魚大好き女子大生の鈴木ひらです。

みなさん、マダイはお好きですか?
美味しいだけでなく、縁起の良い魚として親しまれ、お祝い事で食卓に上ることもありますね。
そんな鯛の煮付けや姿焼きを食べていて、ちょっと変わった形の骨を見つけたことはありませんか?
実はマダイには、「鯛の鯛」と呼ばれる不思議な形をした小さな骨があるんです!

これを知っていると、次からお魚の煮付けや塩焼きを食べるのがもっと楽しくなるかもしれません。
魚を身をほぐすのも、めんどうだと思わなくなるかも…?!

今回は、そんな「鯛の鯛」についてご紹介していきます!

「鯛の鯛」とは

鯛の鯛で作ったアクセサリー

「鯛の鯛」とは、ズバリ、鯛の中にある写真のような骨のことです。
穴の部分がちょうど目のように見えて、鯛に似た形をしていますね!

「鯛の鯛」は、肩帯という部位の骨の一部で、中央にある縦の筋の左側が肩甲骨、右側が烏口骨と呼ばれる骨です。
エラの近くの、ちょうど胸ビレの付け根のあたりにあります。
一匹の鯛につき二つの「鯛の鯛」があるということですね。

主に胸ビレを動かすための骨で、目のように見える肩甲骨の穴は、胸ビレにつながる神経の通り道なんです!
それが偶然、鯛のような形になったのですから、不思議ですね~

他の魚にも「鯛の鯛」?

「鯛の鯛」と呼ばれるこの部位ですが、実は他の魚にもあります
鯛と似た骨格を持つ硬骨魚のほとんどが持っているんです。

ところが、形は魚種によって少しずつ異なります。
マグロなどの胸ビレをよく動かす魚ほど、烏口骨が大きく発達しているようです。
逆に、ウツボのように胸ビレをほとんど使わない魚からは、「鯛の鯛」は取れないようです。

当たり前かもしれませんが、マグロから取れた骨だからと言ってマグロに似るわけでも、ウツボから取れた骨だからウツボに似るわけでもないのですね。
マダイの「鯛の鯛」がマダイに似ているのは本当に偶然のようです!

基本的には、どの魚から取れた骨でも「鯛の鯛」と呼ぶようです。
ブリから取れた骨なら「ブリの鯛の鯛」、ヒラメから取れた骨なら「ヒラメの鯛の鯛」といった具合です。
一方で、「ブリの鯛」や「ヒラメの鯛」といった言い方はしません。
中には「ブリのブリ」や「ヒラメのヒラメ」のように、その魚の名前を繰り返す呼び方を使う人もいるようです。
紛らわしいので、私も普段は便宜上、最後の呼び方を採用しています笑

マダイ以外のお魚にもある骨なので、お魚を食べる際にはぜひぜひ探し出して、形を観察してみてはどうでしょうか!

「鯛の鯛」は縁起物

そんなマダイの「鯛の鯛」は、実は江戸時代から縁起物として喜ばれていたんです!
鯛そのものが縁起の良いお魚で、その中にさらにめでたい形の骨が二つも入っているのですから、重宝されるのも納得ですね。
厄除けの効果や、お財布に入れると金運上昇のご利益がある、といったことが言われています。

実はこの「鯛の鯛」は、「鯛の九つ道具」と言われる、マダイに見られる9種類の部位のうちの一つなんです!
「鯛の九つ道具」には「鯛の鯛」の他に、「大龍」、「小龍」、「鯛石」、「三つ道具」、「鍬形」、「竹馬」、「鳴門骨」、「鯛の福玉」があり、それぞれが縁起物とされています。
中でも「鳴門骨」と「鯛の福玉」はどの鯛にもあるわけではないため、九つすべての部位を持っていると“物に不自由せず幸福になる”という言い伝えがあるようです。

1850年頃に書かれた『水族四帖』にも、この「鯛の九つ道具」のうち「鯛の福玉」を除いた八つの部位が紹介されています。
当時から、鯛の骨が特別なものだったことがわかりますね。

奥倉辰行『水族四帖. 夏』/国立国会図書館ウェブサイトより転載

「鯛の鯛」の取り出し方

それでは、「鯛の鯛」をうまく探し出して、取り出す方法をご紹介していきます!

「鯛の鯛」があるのは、カマの部分です。
煮付けにすると身がほぐれやすいので、取り出しやすいでしょう。

  1. カマの身をほぐしていくと、胸ビレの付け根にある骨が見えてきます。
  2. その周りの身をどんどんほぐしていくと、周りの骨や胸ビレとくっついた「鯛の鯛」が見つかります!
    目のような穴が特徴的なので、比較的わかりやすいかと思います。
  3. まずは、「鯛の鯛」の頭に該当する部分にくっついた、胸ビレから取り外します。
  4. 次に、「鯛の鯛」の腹側に該当する部分にくっついた骨も取り外します。
    この際、「鯛の鯛」の中央にある縦の筋、つまり肩甲骨と烏口骨の境目を、折れないよう指で押さえておくと良いです!
    この筋の部分は、実は結構簡単に折れてしまうので、慎重に扱ってくださいね。
  5. 「鯛の鯛」についた身や油を綺麗に落としたら、発掘完了です!

骨の位置や形などは、こちらの動画を観るとわかりやすいかもしれません。

縁起物「鯛の鯛」を保管しよう!

そんな縁起物の「鯛の鯛」、せっかく綺麗に取り出せたのなら、保管したり、ストラップなどにして持ち歩くのもいいかもしれません。
ここでは「鯛の鯛」を強化して保管する方法と、ストラップに加工する方法をご紹介していきます!

保管するにあたって

「鯛の鯛」は中央の筋で折れやすいため、丁寧に扱わないと壊れてしまいます。
そのため保管しておくなら、あらかじめ強化しておいた方が良いでしょう。
また、きちんと洗って乾燥させることで、臭いを取り除くことも大切です。

  1. 綺麗に取り出した「鯛の鯛」を、割らないように気をつけながら石鹸でよく洗います。
  2. 干してしっかりと乾燥させます。
  3. ネイルトップコートやレジン液を塗布して固めます。
    ネイルトップコートを使う場合は、乾いて固まってくる前に、一気に塗るのがムラなく仕上げるコツです。
    UVレジンを使う場合は、UVランプか太陽光を使って固めてください。

ストラップの作り方

  1. 1~2の工程までは同上です。
  2. お好みの色のマニキュアを塗布します。
  3. 透明のネイルトップコートかUVレジンを塗布し、強化します。
  4. 「鯛の鯛」の口元あたりなど、好みの場所にミニルーターで穴を開けます。
  5. ストラップ用の紐パーツを穴に通して完成です!

穴を開けずに、財布の中に忍ばせておくだけでもいいですし、箸置きなんかにしても素敵かもしれませんね!
ぜひ、お好みでアレンジを加えながら作ってみてください~

まとめ

いかがでしたか?

元々おめでタイお魚のマダイですが、さらに中にも縁起物が潜んでいるとは驚きですね。
今度から、マダイに限らずお魚のカマを召し上がる際には、ぜひ「鯛の鯛」探しも楽しんでみてはいかがでしょうか!

それでは、素敵なお魚ライフを~

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