こんにちは、お魚大好き女子大生の鈴木ひらです!
突然ですが、スーパーで見かけるお寿司のパックには、色とりどりのお魚のお寿司が入っていて綺麗ですよね!
これは、魚には身の色の違う、赤身魚と白身魚がいるからですね。
ところで、そもそも赤身と白身の違いって何かご存知ですか?
また、ブリやサーモンなどのお魚は、赤身魚と白身魚、どっちに分類されるのでしょうか?
普段何気なく使っているけど、意外とよく知らない言葉、「赤身」と「白身」。
今回は、そんな魚の身の色について掘り下げていきます!
目次
ポイントは運動量!赤身と白身の違い
赤身魚とは、その名の通り身の色が赤い魚のことで、マグロやカツオなどがその代表例です。
一方白身魚は、身の色が白い魚のことで、マダイやヒラメ、タラなどが代表例です。
赤身魚と白身魚では、味や料理法も変わってきますね。
では一体、赤身と白身の色の違いは、何からくるものなのでしょうか?
それは、魚の筋肉に含まれる、「ミオグロビン」という色素タンパク質の量の違いです!
ミオグロビンとは?
では、ミオグロビンとは一体なんなのでしょうか?
みなさん、血中にあるヘモグロビンという物質のことは聞いた事がありますよね。
赤血球が持っている物質で、酸素と結合したり乖離したりすることで、体の色々な組織に酸素を運搬しています!
ミオグロビンは、このヘモグロビンととてもよく似た構造をした物質です。
酸素との結合能がヘモグロビンよりも高いのが特徴です!
そのため、血液中に存在し、酸素の運搬を担うヘモグロビンに対して、ミオグロビンは筋肉中に存在し、酸素の貯蔵を担っています。
ミオグロビンは、もちろん私たちの筋肉中にもありますが、特に酸素濃度の低い水中で暮らす魚には、豊富に含まれています!
そしてこのミオグロビン、「色素タンパク質」という名の通り、赤い色素を持っているんです。
これが赤身魚と白身魚の違いに関わってきます!
魚の運動量とミオグロビンの関係
マグロやカツオに代表される赤身魚は、常に泳ぎ回っている回遊魚です。
そのため彼らは、生きていくために絶えず大量の酸素を必要としています。
彼らは筋肉中にミオグロビンを多く持つことで、酸素の供給が途絶えないように工夫しているんです!
ミオグロビンを多く含んだ筋肉はその色素によって赤く見え、赤身になります。
一方で、ヒラメやタラに代表される白身魚は、赤身魚よりも海底付近でじっとしているものが多いです。
身動きせずに獲物を待ち伏せしているヒラメを想像していただくと、分かりやすいかもしれません。
彼らは赤身魚に比べると、酸素の消費量はとても低いです。
そのため、筋肉は赤身魚ほどミオグロビンを含まず、白身になるんですね!
人間にも赤身と白身がある!?~遅筋と速筋~
そんな赤身と白身ですが、実は魚に限った話ではありません。
私たち人間にも、赤い筋肉と白い筋肉があるんです!
私たちの筋肉で「赤身」に相当するのは「遅筋」、「白身」に相当するのは「速筋」と呼ばれる筋肉です。
遅筋は持久力に関わる筋肉で、マラソン選手などに多いと言われています。
遅筋では、血液から運搬されてくる酸素や、ミオグロビンに貯蔵されていた酸素を使ってエネルギーを得ています。
そのため、筋肉中に乳酸が蓄積されにくく、持久性が高いのです。
ずっと泳ぎ続けているマグロなどの赤身魚は、さながら一流のマラソン選手のような高い持久力を持っているんですね!
一方で、速筋は瞬発力に関わる筋肉で、短距離走の選手などに多いと言われています。
速筋では、遅筋とは異なり、主にクレアチンリン酸と呼ばれる物質の分解によってエネルギーを得ています。
そのため、瞬時に効率的なエネルギー生産ができる一方で、乳酸が蓄積されやすく、持続性は高くありません。
普段は砂に潜り、獲物を見つけた時だけ素早く動くヒラメは、まさに瞬発力に特化した魚といえますね!
赤身と白身、食感や栄養はどう違う?
赤身魚は加熱するとキュッと身が締まるのに対して、白身魚は身離れが良く、ほろほろと崩れやすいイメージがありますよね!
実はこれも、ミオグロビンなどの筋肉タンパク質が関係しています。
加熱すると、ミオグロビンなどの球状タンパク質の割合が高い赤身は締まり、一方で繊維状のタンパク質の割合が多い白身はほぐれやすくなると言われています!
また赤身と白身では、栄養成分も異なります。
まず、ミオグロビンが鉄分を含むため、これが多い赤身魚は鉄分がとても豊富です!
他にも、運動量の多い赤身魚はエネルギーを蓄えるために脂肪を多く含み、逆に運動量の少ない白身魚は脂肪分が少ない傾向にあると言われています。
確かに、白身魚は比較的淡白な味や食感のものが多い気がしますね!
ブリやアジ、サバは赤身?白身?それとも中間?
ところで、お寿司のパックを見つめていると、赤身とも白身ともつかないような、微妙な魚がいますよね。
ブリやアジ、サバなどは、赤身魚と呼ぶには身が白っぽい気がしますが、かといって白身魚と呼ぶにも違和感があります。
結論から言ってしまうと、彼らは赤身魚です!
なぜなら、ミオグロビンの量が、白身魚に分類するにはあまりにも多いからです。
では、そんな大量のミオグロビンがどこに含まれているのかと言うと、血合いです。
ブリやアジ、サバなどの魚が白身魚と決定的に違うのは、この血合い肉が多いことなんです。
ヒラメやタラ、マダイなどの魚は、あまり血合い肉を持っていません。
では、なぜマグロやカツオよりも身の赤色が薄いのでしょうか?
それは、彼らの生息している場所を想像するとわかりやすいでしょう。
マグロやカツオが外洋の海を回遊しているのに対し、ブリやアジ、サバなどは、比較的沿岸に近い海を回遊しています。
そのため、マグロやカツオよりも運動量が少ないのです。
このような特徴から、中にはブリやアジ、サバなどの魚を「赤身魚」と「白身魚」の中間である「中間魚」と位置付ける人もいるようです。
鮭は赤身?白身?
お寿司のパックには、もう一つ紛らわしいお魚がいますね。
子供にも大人気のネタ、サーモンです。
鮭の色はとても綺麗なオレンジや赤をしていますが、他の赤身魚とは色合いが少し違いますよね。
また、味や食感も赤身魚っぽくありません。
そうです。実は鮭は、白身魚に分類されます!
あんなに赤い色をしているのに、なぜ?と思われるかもしれません。
鮭の身の赤色は、ミオグロビンによるものではなく、餌に含まれる「アスタキサンチン」という物質によるものなんです!
アスタキサンチンは、エビやカニなどの甲殻類に含まれる色素です。
養殖されている鮭の餌には、このアスタキサンチンが多く含まれるため、身がオレンジ色になるのです。
自然に獲れる鮭を見てみると、甲殻類を好んで食べる大型の鮭の身はオレンジ色ですが、小型の鮭はまだ色素が蓄積していないため、白っぽい身をしています!
味に差はありませんが、身の赤みが強い方が商品価値が上がるため、養殖場の餌にはアスタキサンチンが添加されているようです。
まとめ
いかがでしたか?
普段何気なく食べている赤身や白身ですが、魚たちがそれぞれの生活スタイルに合わせて工夫をした結果だったんですね。
今度パック寿司や海鮮丼をいただく時には、改めて魚の身の色にも注目してみてはいかがでしょうか!
それでは素敵なお魚ライフを〜
子供の頃から魚が大好きな女子大生。好きな魚はヒラスズキ。「見てかわいい、釣って楽しい、食べて美味しい」という最強のコンテンツであるお魚の魅力を、私なりの視点で発信していけたらと思います!