【前編】海なし県から水産学部へ!長崎でクジラの研究をする大学生の話

みなさんこんにちは!
生まれも育ちも海なし県、現在山の中で農学を学ぶ現役大学生のミユウです。
そんな私が、今まで触れる機会がほぼなかった「海」のこと、「魚」のことを知るために、奔走する過程をお伝えしていくものです!

2回目は、長野県からはるばる長崎へ、海を求めて飛び立った中学の同窓生にお話を聞いてみることに。

長野県は、驚くほどに海との接点がない!そんでもって、海を見ることに対して、非常にハードルが高い。
それでも、水産学部へ飛び込んだみつきくんの●は、一体どんなきっかけがあったのだろうか。

今回のゲスト

ニックネーム:みつきくん
大学:長崎大学 水産学部 海洋生物科学科
出身:長野県出身
好きな魚:ヒゲクジラ

何になりたいとかじゃなくて、単純に学問として学びたかった。

長野県から距離にして1,100 km。
中学校で同期だったみつきくんは、長野の山々を飛び越え、長崎の海にいた。

なぜ、長崎?なぜ水産?

海なし県の長野県民にとって、おそらく海や海産物は馴染みが浅い。
年に数回海を見る程度。
諏訪湖を見ると、海を見たかのような気持ちになれる。

そんな環境下で生まれ育ってもなお、水産学部に辿りついたきっかけが気になった。

ミユウ:そもそも、何で水産学部を選んだの?

みつきくん

もともとはじいちゃんの影響で、建築にいこうと思っていた。
でも海が小さい頃からなんか好きだったから、たまたま、母さんから海洋大学の話を聞いた時に、そういうのもあるんだぁと思ったんだ。
建築は、数Ⅲ・物理が必要なんだけど、生物系なら、北大以外数Ⅲいらないんだよね。
高校の理系のコース選択をする時に、物理をより生物をやりたかったから、物理を取りたくなかったんだよね。2年生の時には、もう生物やっていたから、建築に行く道はもうはなくて水産行こうかなって。
それで、もう選択肢はないから、海洋大の推薦を受けることにしたんだ。
11月受験、12月発表で受けたんだけど、落ちていたんだよね。
絶対受かると思っていたから油断して、センターでもすこぶる点数がでず・・・長崎大学の前期の雲行きが怪しくなったから、これは困ったなと思って。
だけど、志望理由を考えた時とかにクジラの研究をしたかったんだよね。調べたら、海洋大は、クジラの研究室があったんだけど、センターの点数的に、前期で海洋大は厳しいということになって。
先生とも相談して、学部になっている長崎大の方がいいんじゃないってなって。
それで結局長崎大を受けることにしたんだよね。建築を目指していたときは、建築家になるには、建築学部っていう流れだったんだけど、じゃぁ水産学部にいったら何になれるのかっていうのは、俺今もわからない。
海を学びたいなってだけでいっているんよね。
何になりたいとかじゃなくて、単純に学問として学びたかった。
でもなんで海?って言われると、それはなんでだろうね(笑)
なにか具体的なきっかけがあったわけではないだよね多分。
最初は見てる分に好きだったんだと思うけどね。
それで選んじゃったんだもんね学問を。(笑)

クジラに惹かれて

ミユウ:海に魚に呼ばれていたのかもしれないね。その中で、何故ぜクジラに興味を持ったの?

みつきくん

クジラはね・・・海洋大は日本で一番クジラの研究をやっているんだけど。
海洋大にのオープンキパスャンにいった時に、8mくらい骨格標本が2体あって、それを見たら、やっぱこれすごいなって思ったのはあったかもしれない。
でもクジラで何の研究をしたいとかは具体的にはなくて、それがあんまりよくなかったなって最近気づいたんだけど。
(笑)クジラは、大きくヒゲクジラと歯がついているハクジラの2種類に分かれる。
イルカとクジラの区別ってサイズだけなんだよ。
だから、全部クジラとすると、イルカもマッコウクジラとかも歯クジラの方に入る。
ハクジラは、魚とかイカを捕まえて食べるんだけど、ヒゲクジラは歯が生えてないから、水をがばってあけて、プランクトンとかを引っかけて食べるんだよね。
俺はもともとヒゲクジラをやりたかったんだよ。海洋大はそれにめちゃめちゃ強くて。
でも、俺の調べが浅かったんだけど、長崎大はハクジラの専門の先生だったんだよね。(笑)
この間クジラの研究室に決ったんだけど、何研究しようかなって思っているところですね。

ミユウ:長崎大学ではどんな事を学んでいるの?

みつきくん

1年次は教養、2・3年次は海の基本科目。俺みたいなやつでもわかるように、それは知ってるだろうって位の初級編から触れてくれて、全体のレベルを合わせてくれる。
2年次から始まる水産の実験では、基本的には捕っちゃいけないんだけど、漂着しているスナメリっていう1 mくらいの小さいイルカの解剖する実験とか。
俺は人間の解剖はしたことがないけど、スナメリの解剖をして、心臓とか見ると”やっぱ哺乳類なんだな”って。
匂いは今まで嗅いだことのにないような、動物が腐った匂いで、全然魚の生臭さではない。あとは、魚・サメの解剖・スケッチ・生物分野・水産経済・船の操船する授業とか、色んな分野があるね。
授業も、船を操船するには、天文学が必要で、海の流れについて流体力学・鳥・魚・水産加工・海の上でのルール・・・・色々あるね。
広く浅くではあるけど、そこから1つ選んで、研究していくって感じかな。
その中で俺が選んだクジラの研究は、もちろん生物分野には分類されるんだけど。
クジラは海の中の生態系ピラミッドでいくとほぼトップで、トッププレデターの影響って大きいんだよね。
資源管理の点でも、何を食べているかは重要な観点なんだよね。
でも、海は空間的だから、どうやってそれを数えるのか?関知していくのか?その資源管理が難しいから、どうやって管理するかとか。
イルカは魚の一角を置いて頭がいいから、倫理的な問題もある。

想像できない水産学部の分蓋を開けてみると、その深さ、広さに驚く。

みつきくん

今は、芸類研究会っていうのも入って、データを集めるために、解剖とか結構しているんだけど。
研究室が結構やってて、先輩たちのその解剖の手伝いをしに行く人とかがいたり、ディベートをやったりね。
この間も、オンラインで水族館で芸類を飼育するのはいいのかとかをディベートしたんだけど。
これも結構おもしろいんだよ。

山を超えた先、深くて広い海を全力で楽しみ、語るみつきくんの姿を見たら、やっぱり水産って面白いのかも知れないと思わざるを得ない。若者が楽しそうに、魅力的に語れることほど、強いものはないのではないだろうか。






この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事