あの鮭どの鮭?市場で見かける鮭 その種類と価格帯

こんにちは、遠藤です。

前回鮭とサーモンをテーマに記事を書きましたが、最後の一般市場での流通部分がだいぶおろそかになってしまっておりました。それには理由がありまして、

1.実際複雑で困ってしまった

2.改良された品種の扱いに困った

3.多くのお店(例えば回転ずしチェーンなど)が、あまり使用しているサーモンの品種を公表していない

などなどが挙げられました。

まず、サーモンと鮭、鱒とトラウトなどについての解説は下記の記事を参考にしてください。鮭やサーモンは違うものなのか、サーモンとトラウトはどうなのか。そんな疑問にお答えしています。

今回の記事では、鮭が一般市場でどのように流通しているのかという部分に焦点を当てて解説をしていきます。

サーモンについてもどこかで書こうとおもいます。

前提として

サーモンと鮭の定義的な違いは以前の記事で述べた通りです。

生物的な違いはなく、呼び名が分かれているのみであるというものです。

鮭とサーモンは一定の呼びわけがされているものの明確な定義は存在せず、ブランディングや流行の観点などから呼び名が変わることがあるのが実情です。

鮭として販売される魚の種類

日本で"主に"「鮭」として販売されているのは以下の種です。

("主に"というのは、時代によって呼び名の変化があることやブランディングのためにあえて呼び方を変えるなどの例があることから、絶対ではなく例外があるという意味です。)

白鮭

いわゆる鮭と呼ばれる種です。日本で最も多く流通し、季節や状態によっても呼び名が変わるなど古くから親しまれてきていることが伝わります。2-8年間回遊し、その後故郷の川に戻り産卵をします。

白鮭が売られるときには次のような表示で販売されます。

サケ・白鮭

単に鮭、もしくは白鮭として売られる場合です。

秋鮭

秋にはスーパーで秋鮭として鮭が売られているのを目にしますが、あれは秋にとれた白鮭を指しています。秋は産卵前の時期で、鮭たちは卵であるイクラを抱えた状態で故郷の川に戻ってきます。秋鮭は主にその段階で捕獲された鮭といえます。

産卵のためにエネルギーを使っており、その身事態には油はあまりなくあっさりした味わいです。雄は白子を、メスは卵を持っているのも一つ特徴ですね。

時知らず・時鮭

先述の通り、白鮭は秋に産卵のために川を遡上します。ですが、時折秋以外の時期(春~夏)に川に戻ってくる白鮭がいます。それが時知らず、時鮭として売られる白鮭です。

秋鮭との大きな違いは産卵までの時間です。秋サケが産卵のためにすでに多くの体力を消費しているのに対して、時知らずは産卵の準備段階よりさらに前の状態であり多くの栄養を蓄えています。そのために時知らずの身は脂乗りがよく栄養価が高く味わい深いのです。

鮭児

鮭児とは、白鮭1万尾の中に1尾しか見つからないといわれる大変貴重な白鮭です。産卵から遠い若い白鮭で、ロシアのアムール川に生まれた1~2歳前後の白鮭が偶然網にかかることで水揚げされるようです。産卵ではなく成長のための栄養を蓄えている状態であり、その脂乗りや味の良さは大変なものです。

ただ、お値段も大変なものとなっており、一尾で10万以上となることが珍しくないようです。若さとは罪哉。

銀鮭

銀鮭もスーパーなどでよく見かける定番の鮭の一種ですね。ただし、白鮭には天然物がほとんどである一方、日本で流通する銀鮭の多くは養殖ものです。原産地はチリやアラスカ、ロシアなどが多いです。日本では宮城県で養殖が盛んにおこなわれています。

脂の量は紅鮭や白鮭と比較して最も多いといわれています。そのため濃厚な味わいが楽しめる一方でくどさを感じてしまう人もいるようです。

紅鮭

紅鮭の原産地はロシアや北太平洋。紅い身の鮮やかさが特徴的で、程よい脂乗りからファンの多い鮭です。

銀鮭や白鮭と比較すると少々値段が高いようです。

海に降りるもの(降海型)はベニザケと呼ばれ、川にとどまるもの(陸封型)はヒメマスと呼ばれます。

身だけではなく体全体があかくなることから紅鮭と呼ばれているとも。

種類まとめ

鮭として売られるのは主にこれらでしょう。

ちなみに、銀鮭はサーモンとして売られることもよくあります。その場合は養殖された生食可能なものを指す場合がほとんどです。

市場での価格

もちろん時期によって変動がありますが、上記に挙げた鮭たちを想定される価格順に並べると次のようになります。以下は一本での値段の一例です。楽天などのオンラインショップでの値段でしたので、

  • 白鮭  ⇒8000円前後
  • 銀鮭  ⇒10000円弱
  • 紅鮭  ⇒10000円強
  • 時知らず⇒15000円程度
  • 鮭児  ⇒100000円オーバー

※価格は市場の動向により変化します。

鮭児だけが異様な価格ですね。時知らずやベニザケ、養殖されブランド化された銀鮭などはより付加価値を高めた状態で高値で売られることもあり、その場合は天井知らずで値段が上がっていきます。

基本的には最も高値で扱われるのは紅鮭、次に銀鮭ときて最も安いのが白鮭です。しかし、時知らずなどのように付加価値がつくことで紅鮭を超える値段で取引されることも多いようです。

まとめ

鮭と一口に言っても多くのサケ科魚類がいて混乱しますよね。今回挙げた鮭たちの中にもサーモンとしれ売られる場合がある鮭もいます。

あまり難しく考えるとこんがらがるかもしれません。

まずは生物学的な定義を抑える。その上で実際にどう売られているのかを観察してみる。

そのくらいがちょうどよいのではないでしょうか。

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