【前編】長崎県の水産学部×北海道の水産学部×長野県の農学部で対談してみた。

みなさんこんにちは!
生まれも育ちも海なし県、現在山の中で農学を学ぶ現役大学生のミユウです。
そんな私が、今まで触れる機会がほぼなかった「海」のこと、「魚」のことを知るために、奔走する過程をお伝えしていくものです!

やれ就活だ、進路だ、将来だ、大学受験だ…って。

中学生も高校生も大学生も、もしかしたら社会人だって、たまには迷走する時もあるかもしれない。
そんな時ちょっと知ってほしくなる水産学部の世界。

海の分野を面白がっている学生がいるってことを。
水産学部生の超リアルを。
水産学部生の見つめている、考えている世界を
どうやら、水産学部って面白いらしいってことを。
北海道の水産学部生×長崎県の水産学部生×長野県の農学部生を混ぜたとき、どんな化学反応が起こったのか、

見届けてください。

本日のゲスト

みつきくん
長野県出身。長崎大学 水産学部
「九州上陸する予定じゃなかった」

みつき君の記事はコチラ
海なし県から水産学部へ!長崎でクジラの研究をする大学生の話

いかちゃん
新潟県出身。北海道大学 水産学部
「おしょろ丸の洗脳をされていたかもしれない」

みつき君の記事はコチラ
未来の水産業を担う現役水産学部生に迫る~海を、魚を知る旅~

みゆう「私のまず疑問点はね、北海道と長崎は場所が離れているから、扱う魚や学部としてやっていることが違うのかな?ってこと」

いか「他の大学の水産学部生と話たことがないから、何を学んでるのか全然知らないなぁ。」

みつき「もう俺は本当に聞きたい。北海道の水産学部が何をしてるのか。」
みゆう「じゃぁ、まずはみつきくんの方から、長崎の水産について、語ってもらいましょう。」

水産学部の常識POINT1
水産学部は数Ⅲ・物理を学び直す!!

みつき「ざっと、やっていることを言っていくね。入試の時点で、数Ⅲがないから、数Ⅲをやってこなかった人間が半分くらいいるんだよね。俺もやっていなくて、流体力学で物理をやるから、結構大変だった。1年生の頃は数学と、海の生物とか海洋学概論みたいな基本教育みたいなのをバーッと学んだ。」

水産学部の常識POINT2
バイオロギング!?

みつき「2年生は概論科目だけじゃなくて、専門性がちょっと高まった。生物・物理・化学と海洋分野と実験が始まった。結構生物に増える形が多かったかなぁ。俺は研究室決まってクジラの研究室なんだけど。特徴的なのはクジラの解剖と板鰓類に特化している先生がいるから、サメの解剖とバイオロギング(bio+logging)をやっている先生がいて…」

みゆう「え!ちょっとまって。バイオロギングって何!?(笑)」

みつき「えっと簡単に言うとね、生物を観察するのに殺して観察するんじゃなくて、魚にカメラを取り付けて泳がせて、どう泳ぐのかとかを観察するもの。ジンベイザメにバイオロギングして観察した先生がいて。その先生の実験で生け簀で飼っているカンパチを一瞬捕まえて、麻酔して魚の腹切って、カメラを取り付けて放して、行動のデータを取る実験とかね。」

みゆう「ええぇええEEEE。魚を切って、縫って、カメラ入れるのかぁ!」

みつき「そう(笑)そんな感じで2年生を終えたよ。」

水産学部の常識POINT3
乗船実習?!

みつき俺は船舶系のコースだから乗船実習が多いんだよね。乗船実習中は基本的に船内機器の使い方と役割分担とか船上生活の体験とか。1年生の末に3泊4日で船に乗った。うちは俺300㌧の船と1200㌧の船があって、300㌧の方はでかいんだけど、アルミだからめちゃめちゃ軽くてすごい酔うんだよ。そういう地獄の乗船実習ね(笑)。そんな地獄の乗船実習をやって、2年生からは、新しさが自慢!(笑)の1200㌧の船に乗りながら、いろんな乗船実習やって。

3年生になったらもう全部専門。船乗り系のコースだから、流体力学とか物理系とか生物とか経済学の実験とか。あとはレッドリストの実験とか。海に出て行くって言うよりは実験が多かった。本当は2週間予定なのに、今年はコロナでもう1週間なっちゃったんだけど、外洋に行く乗船実習があって。県外に出れないから、長崎県は五島列島があるから行って帰ってくるって言う乗船実習があった。あとは、釣の人とかが荒波に乗っていく、男女群島の近くまで行ったよ。本当は、五島にも上陸して帰ってくる予定だったんだけど、体調を崩した人が出て、それも叶わず(泣)。班に分かれて6航海あったんだけど、五島に上陸できなかったのは、僕たちだけだったという・・・・・・(笑)

そんな乗船実習を終え、今ちょうど研究室が決まったところ。俺はクジラの海棲哺乳類の研究室に入っているって感じですかね。」

いか「私たちは、コロナで実習がほとんどなかったから、乗船実習が多くて気になったぁ~。鯨の生物系でも、長崎は結構物理系が得意なのかな?」

みつき「そうなんかな!?造船が長崎は強いのかも。今は結構撤退しているけど、その名残があるかも。言われてみればそうだなぁ。今気づかされた(笑)」

みゆう「そもそも、学科が違うのか?2人の専攻している分野が違うのかな?」

水産学部の常識POINT4
船乗りコース

みつき「俺の学科は簡単に言ったら船乗りコースみたいな(笑)他は生物系、科学系、環境系があるんだけど。俺んところも別に本当は船乗りコースって名前ではないんだけどさ(笑)水産管理コースでところで水産学を全体的に広く浅くやりながら、でも船舶を取る人には特化していて、そういう人たちが多く集まっているコースかな。」

みゆう「わかりやすい(笑)いかちゃんは?」

いか「水産学部の中でも物理系・生物系が2つ・化学系の4つに分かれている。その中の生物の体内じゃなくて、生物の外や生態系や資源を見る資源生物学があって、その中でも特に資源に特化しているコースを専攻している。だから、みつきくんとは、分岐している先も結構違うから、話も色々違くて、面白そうだなって思ったよ。」

水産学部の常識POINT5
おしょろ丸

みゆう「続いて、いかちゃんの北海道の大学について聞くか~!」

いか「私も後期で入ったから、化学と生物しか、入試では使ってないから、数学は苦手だなぁ。苦手の物理とか数学の単位とかも頑張って取ったって感じだった。」

みつき「え、ちょっとまてちょっとまて。後期で入ったのか。やべぇな、すげぇ人だな。いかちゃん。」

いか「1年生は、全部教養だから、水産とは関係ないことだったり、数学や物理の単位を頑張って取ったって感じ。2年生札幌で講義メインにやってたよ。でやっと水産の勉強ができる。水産の基礎の勉強で、水産学部の全体的なことを教養として学んだよ。実習はコロナでほとんど潰れちゃって、船に乗れたのは2回だけ。後はレポートひたすら書いてたこれからちょっとそれは寂しかったなぁ。」

みゆう「コロナじゃなかったら、実習はどれくらい行ったの?!」

いか「北海道から、経度180度線までピーンと行って、そこから20度位まで南下して、また来た道を戻っていくって感じ。」

みつき「え。結構それきつくない?あそこまで出てくのか。」

いか「でっかい船と小さい船があるんだけど、そのでっかい船で行くって感じ。」

みつき「知ってますよ。おしょろ丸だよね!」

いか「さすが!(笑)」

みゆう「北海道から経度180度線まで何日くらいかかるの?」

いか「1週間くらいかな。」

水産学部の常識POINT6
タラは北の魚。

みつき「え、じゃぁ元々海外に行くやつはどこに行く予定だったの?」

いか「北にひたすら、北極の近くまで行こうってやつだったと思う。」

みつき「まじかぁああ。えっ。それめっちゃ良くない?!(興奮気味)」

いか「南は長崎とかが頑張ってくれてるから、北は北海道が頑張ろうってことだと思うんだけど。扱うのは、北の魚ばっかり。」

みつき「タラとかってことよね。」

いか「そうそうそう!タラの研究している人いっぱいいる!」

みつき「そうか。タラの研究している人とか、こっちは1人もいないよ。多分。」

いか「いや、そうでしょ。(笑)南は南の魚を多く扱っているんじゃない?」

みつき「ぶりとかかな。いや~、いいな。北は北極まで行けるって、めっちゃいいな、なんか。」

みゆう「え、じゃぁロシア超えていくの?」

いか「気候とかの研究をしている人もいるから、それはもう北極の拠点みたいなところとかに上陸して、氷を取ってきて、そこから空気とかを調べて温暖化がどれくらい進んでいるのかとか開様への影響を調べているような研究もあるから。」

水産学部の常識POINT7
船で海外に行ける

みつき「俺たちは韓国がめちゃめちゃ近いんだよ。長野帰るよりも。地図で見たら、びっくりするくらい近いの。例年の予定だったら京都の舞鶴まで出てきて韓国の釜山まで行くって言う航海と南鳥島に行って、屋久島に行って帰ってくる航海の予定だったんだよ。もう一個が、中国のアモイにいって那覇によって帰ってくる予定だったのに。。。五島列島に降りれず、男女群島の荒波に揉まれ、みんな死にそうになりながら航海して、散々でしたよ。」

みゆう「そうか、船で海外行けるのか・・・。」

いか「やっぱり、行くところが全然違うんだね。めっちゃ日本を制覇している感じでいいな。」

みつき「まぁ、行けてないんですけどね。」

水産学部の常識POINT8
航海士コースの有無

みつき「水産専攻科って北海道は提携していないんだっけ。」

いか「え、それ何の話だろう???」

みつき「あ、船乗りになる人が航海士になるために長大と鹿児島大と東京海洋大学の水産学部の3つで専攻科があって。卒業に1年間
海洋大に通って、あのもっとでっっかい海鷹丸に乗って・・・」

いか「すごい、名前がすらすら出てくる(笑)」

みつき「海鷹丸で、南極まで出る言う2.3ヶ月の航海に行く実習とかがあって1年間修業すると航海士の試験一個免除されるっていうのがあって。船乗りになる子たちが行くやつがあってさ。」

いか「へぇ~~!」

みつき「前までは、各大学に大学院とは別に、専攻科があったらしいんだけど、今はこういう形で合併しているみたい。」

いか「あぁ~。大学の歴史みたいな授業で、確か、かつては、船乗りのようなコースもあったけど、うちは研究に力を入れようっていうことで、なくなったって言ってた気がする。」

みつき「北大には船乗りになる人あんまりいないのかなあ?」

いか「そうなんだよ。そもそも船乗りコース的な、船に特化したものがないから、すごい新鮮。」

みつき「流大力学みたいな研究をしている先生とかは船舶工学ではないのかな??」

いか「衛星から海の流れを見ている粒子の分散からこういう海の気象になるという気象予測とか船舶についている音響の頃の先生とか。魚どこにいるかなぁとかで探すそういう先生は多分言ったと思う。」

水産学部の常識POINT9
船乗りという職業

みつき「船乗りになるには、集中講義取らなきゃいけないんだけど、船員さんが授業に来るんだよ。船長とかは教授みたいな肩書きだし、一等航海士とかに二等航海士さんがくると準教授みたいな。いろんな講義をしてくれるから船員さんともつながりが強いんだよね。」

いか「ええそんなの。船員さんの講義受けてみたいなぁ。」

みゆう「船乗りさんは、何する人?」

みつき「船乗りさんは特殊で、船を持ってるのは長崎大学なんだけど、そこに船員さんがついているのね。

ワンピースでいうと、まずなみが必要。航海士のトップが船長で、船の大きさで一等航海士何人、二等航海士何人って決まってて。小さい方の船なら3人とか。

次にフランキーが必要なんだよ。船大工。機械的な機関室で機械をいじる人。孤立しているから、通信が命だから、通信部もあり。あとは、サンジが必要。コックさんもついている。基本的にその人たちが乗ってるの。
研究とかがあると、先生たちが操縦するんじゃなくて、船員さんたちが船を動かすの。

船を動かすために乗ってて、先生たちがきたらその手伝いをする、みたいな。一日中誰かしらはみてないといけないからシフト制なんだよね。」

みゆう「なるほどね。知らない世界だなぁ。」

水産学部の常識POINT10
船酔いは、やばい。

みつき船酔いってやばいよね。船酔いというものはですね。すごいんですよ。まじで。3泊4日で行った航海は、当たり外れがあるんよね。大荒れの人もいれば、はい何もないっていう人もいて。俺は、2番目にやばい航海に当っちゃったんだけど。3泊4日でいって、2日はダウンしてさ。
でも韓国人の留学生にコーヒーの砂糖みたいなモノと、小瓶みたいなやつを二つ渡されて。「ミツキ、これを飲んだら大丈夫」って言われて。いや、これ大丈夫か!?韓国語で読めないし。俺死ぬんじゃないかなって思ったんだけど、もう本当に船酔いがひどかったから、命を覚悟してそれを飲んで寝たら、酔いが全部なくなった。(笑)帰ってから、”韓国 酔い止め 画像検索”したら、めちゃめちゃ下の方にちゃんとあった(笑)」

いか「韓国のやつの効果がすばらしかったのね」

みつき「酔っている人は、乗ったその日から4日間一食も食べれず、何もできずって人もいたね。もう、降りた時すっごい笑顔だったもんね(笑)」

最後に

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
まだまだ、2人の水産話は止まらない!?
全く知らない世界がそこにはある。ぜひ、後編もお楽しみください。

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