ホウボウにフグ、クマノミも!意外に多い「鳴く魚」、なぜ鳴くの?

こんにちは!お魚大好き女子大生の鈴木ひらです。

突然ですがみなさん、「鳴く」魚がいるって、ご存知でしたか?
水の中で静かに泳いでいるイメージが強いので、意外に思われるのではないしょうか。
一方釣りをされる方は、ピンと来るかもしれませんね!

今回は、そんな意外とたくさんいる「鳴く魚」たちについて掘り下げていきます!

意外に多い!鳴く魚たち

鳴き声のような音を発する魚のことを、「発音魚」と言います。

鳴き声といっても、魚は声帯を持たないので、実際に声を出しているわけではありません!
発音魚たちは、私たちとは全く違う、様々な方法で音を出しているんです。

それでは、実際にどのような発音魚がいるのか、発音の方法ごとに見ていきましょう!

鰾(うきぶくろ)を震わせて鳴くタイプ

発音魚の中には、鰾(うきぶくろ)に付いた「発音筋」と呼ばれる筋肉を使って鰾を振動させることで、音を発生させるものがいます。

ホウボウ 

■分類:スズキ目 ホウボウ科 ホウボウ属

「鳴く魚」と言われて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのはこの魚かもしれません!
ホウボウは、釣り上げると鰾を震わせて「グゥ、グゥ」と鳴きます。
この鳴き声が「ホーボー」とも聞こえることから、この名前がついたと言われています!
釣り上げた後、針を外している時にもよく鳴くので、「ごめんね、すぐ針外すからね~!」とつい申し訳なくなってしまいます。

シログチ(イシモチ)

■分類:スズキ目 ニベ科 シログチ属

こちらも鳴くことで有名なお魚ですね!
鳴き声は「グゥ、グゥ」と言った感じです。

関東では「イシモチ」という呼び名の方がメジャーですが、標準和名は「シログチ」です。
このシログチという呼び名、実は鳴いている様子が「愚痴」を言っているように聞こえることが、「グチ」という名前の由来なんだそうです!
なんだかダジャレみたいな由来ですね!笑

ちなみに、同じニベ科のニベやオオニベなどのお魚も、同じような鳴き方をする発音魚です。

キツネメバル(マゾイ)、クロソイ、ムラソイなど

クロソイ

■分類:スズキ目 メバル科 メバル属

ソイの仲間にも発音魚はたくさんいます!
鳴き声は「グゥ、グゥ」と言った感じです。

ここまで見てきてわかるように、海底でじっとしているお魚が多いですよね。
実は、こういった「底魚類」や「根魚」と呼ばれる魚には、発音魚が多いんです!

コトヒキ

■分類:スズキ目 シマイサキ科 コトヒキ属

関東ではあまり食用魚として馴染みのないお魚ですね。
関西では大型のものが取れるようで、食卓に上ることもあるようです!

こちらも鰾を震わせて、「グゥグゥ」といった鳴き声を発します。
「コトヒキ」という名前は、この音が「琴を弾いているよう」だということが由来のようです。
とってもオシャレな名前ですよね!
よく似た鳴き方なのに、なぜシログチとコトヒキでこんなにも捉え方が違うのでしょうか…笑

スケトウダラ

■分類:タラ目 タラ科 スケトウダラ属

あまり知られていませんが、タラコや明太子の生みの親、スケトウダラも鳴く魚なんです!
鰾を振動させることで、「グッ、ググッ」というような鳴き声を発します。

以外と身近な魚にも、発音魚はいるんですね!

マツカサウオ 

■分類:キンメダイ目 マツカサウオ科 マツカサウオ属

こちらもあまり馴染みのない魚かもしれませんが、その名の通り松ぼっくりによく似た小さな魚です!
小さな体からは、ちょっと想像がつかないような「グォッグォッ」という鳴き声を出します。

余談ですが、マツカサウオの面白いところは「鳴く」ということだけでなく、下顎の部分が発光することです!
実はここにルシフェリンという物質を使って発光するバクテリアを共生させていて、光に集まってきたエビを食べているそうです。
なんとも不思議なお魚ですね~

歯ぎしりタイプ

鰾を使う魚の他にも、歯と歯を擦り合わせて音を出す、「歯ぎしりタイプ」がいます!

フグ、カワハギ、ウマヅラハギなど

■分類:フグ目

こちらは釣りをする方ならピンとくるかもしれません!
フグやカワハギなどの魚は、釣り上げた時に歯ぎしりのような「ギッギギッ」という音を出します。
フグ目の魚は上下4本の鋭い歯を持っていて、これをこすり合わせることで大きな音を出すことができるんですね。

クマノミ

■分類:スズキ目 スズメダイ科 クマノミ属

意外かもしれませんが、観賞魚としても人気の熱帯魚、クマノミも歯を使って「カチッカチッ」というような音を出すことがあります!
運が良ければ聞けるかもしれないので、水族館や熱帯魚屋さんに行った時には、ぜひ耳をすませてみてはいかがでしょうか?

骨と骨を擦り合わせるタイプ

こちらは歯ではなく、骨を擦り合わせて音を出すタイプです!

ヒイラギ

■分類:スズキ目 ヒイラギ科 ヒイラギ属

ヒイラギはその名の通り、柊の葉っぱに似た形の小さな魚です。
頭部にある頭骨と前上顎骨(ぜんじょうがくこつ)という骨をこすり合わせることで、「ギーギー」という音を出します!

トゲが鋭く、大量の粘液を分泌することから釣り人からは嫌われがちのヒイラギですが、実はとっても綺麗な魚なんです!
食道付近に発光する細菌を共生させており、腹部が銀色に光ります
不思議な特徴をたくさん持ったお魚ですね!

胸ビレを擦り合わせるタイプ

骨以外にも、胸ビレを擦り合わせて音を出す魚もいます!

ギギ、ギバチ

■分類:ナマズ目ギギ科ギバチ属

先程までとは打って変わって淡水魚の、ナマズの仲間です。

胸鰭の棘と胸鰭付け根の骨を擦り合わせることで、「ギーギー」という音を出します。
「ギギ」という名前は、もちろんこの音から来ています!

ゴンズイ

■分類:ナマズ目ゴンズイ科ゴンズイ属

釣り人はげんなりしてしまうこのお魚、ゴンズイも発音魚です!
毒があることで有名な胸鰭の棘と、付け根の骨を擦り合わせ、「ギギッ」という音を出します。
あまり出会いたくない魚かもしれませんが…今度釣り上げてしまった際には、棘に気をつけつつも、耳をすませてみてはどうでしょうか?

「発音魚」、なぜ鳴くの?

発音魚が音を出す理由は、魚種やシチュエーションによって実に様々です。
敵を威嚇するためだったり、危険を仲間に伝える警戒信号だったり、縄張り宣言求愛行動だったりあるいは単なるコミュニケーションの手段だったりします。

鳴くタイミングも様々で、ホウボウなどのように年中鳴くものもいれば、クマノミのように繁殖期にのみ求愛や警戒のために鳴くものもいます。

また、ソイなどの底魚類は、特に夕方ごろからよく鳴くようになります。
底魚類には夜行性の魚が多いので、日が暮れてからの方がおしゃべりに花が咲くようですね!

まとめ

いかがでしたか?

あまりイメージのない「鳴く魚」でしたが、意外と身近にもいましたね!
釣りをされる方は、ぜひ釣り上げた時に魚が発する音にも注目してみてください!

それでは、素敵なお魚ライフを〜

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